出産予定日はどうやって決まるの?
妊娠40週(妊娠11ヵ月)が出産予定日です
妊娠がわかったら、出産予定日がいつなのか、どうやって決まるか気になりますよね。
あなたと赤ちゃんの健康管理のためにも、妊娠が何ヵ月なのか正しく理解することが大切です。
出産予定日の決め方や正確性については誤解されることが多いです。
この記事では、妊娠週数の数え方と、自然妊娠と不妊治療の場合の出産予定日の決定方法をわかりやすく解説します。
この記事の結論
- 最終月経の初日=妊娠0週0日(妊娠1ヵ月)
- 受精した日=妊娠2週0日(妊娠1ヵ月)
- 出産予定日=妊娠40週0日(妊娠11ヵ月)
- 自然妊娠では最終月経日と超音波検査をもとに、妊娠週数を決める
- 不妊治療では排卵日や胚移植日をもとに、妊娠週数を決める。
この記事の監修者
- 市中病院で働く産婦人科医
- わかりやすく病気を説明し、患者さんの疑問を解決するブログ産婦人科Dr.ずーの女性応援部屋を運営中
妊娠週数の数え方【受精日=妊娠2週】
感覚的に受精した日が妊娠0日に思えますが、実は受精した日=妊娠2週0日なんです。
自然妊娠と不妊治療の場合では受精した日の計算方法が違うので、それぞれ解説します。
自然妊娠の場合
人工授精や体外受精では受精した日が正確にわかりますが、自然妊娠だと受精した日を知るのは難しいです。
排卵日は誤差が少ないので、自然妊娠の場合は排卵日から出産予定日を決めます。
最終月経から計算する:最終月経初日=妊娠0週0日
排卵は月経の初日から2週間後におこります。
自然妊娠では受精日を確定するのは難しいため、排卵日=受精した日(妊娠2週0日)と考えます。
最終月経の初日が妊娠0週0日になるので、出産予定日は280日(40週)後です。
ただし、月経周期が不規則な人や、排卵してから受精するまでタイミングがずれることもあるので、超音波検査で赤ちゃんの大きさと妊娠週数が適切かどうか確認します。
超音波検査による確認 :赤ちゃんの大きさをみる
生まれるときの赤ちゃんは体重が約2.5kg~4kgあり、個人差が大きいです。
しかし、妊娠初期のお腹の赤ちゃんは大きさの個体差が少ないので、超音波検査でCRL(頭からお尻までの長さ)を確認し、その大きさで妊娠週数を推測します。
妊娠8-11週にCRLから妊娠週数を推測すると、出産予定日の誤差が3.9日と少ないです。
そのため、最終月経から計算した妊娠週数と超音波検査で推測した妊娠週数のずれが大きい場合は超音波検査での計算を優先します。
妊娠週数の誤差
- 妊娠14-16週:7日
- 妊娠16-21週:10日
- 妊娠22-27週:14日
- 妊娠28週以降:21日
妊娠週数を正確に出すためにも、妊娠11週(最終月経から11週後)までには受診したいですね。
不妊治療の場合
人工授精や体外受精で妊娠した場合は、自然妊娠より正確な受精日がわかります。
不妊治療の出産予定日の計算方法を解説します。
人工授精の実施日=妊娠2週
人工授精の場合は人工授精をした日を受精日と考え、妊娠2週0日とします。
そのため、人工授精をした日+38週0日が出産予定日になります。
体外受精は移植日+培養日数で計算する
体外受精では、受精卵の移植日の妊娠週数=妊娠2週+培養日数で計算します。
卵子と精子が受精した受精卵は、1日に2倍のスピードで細胞が増えます。
病院によってどの時期の受精卵を子宮に戻すかは違うので、確認してみましょう。
受精卵の状態と培養日数の関係
- 4細胞期胚(培養日数=2日)
- 8細胞期胚(培養日数=3日)
- 胚盤胞(培養日数=5日)
胚盤胞を移植する場合、移植日=妊娠2週5日(妊娠2週+5日)と考えます。
出産予定日を決める必要性
赤ちゃんがいつ生まれるか気になるだけではなく、赤ちゃんの健康管理のためにも出産予定日をただしく知ることは大切です。
以下、出産予定日が大事な理由を解説します。
妊娠中の赤ちゃんの健康管理
妊娠中は、決められた頻度で産婦人科を受診し、赤ちゃんとお母さんの健康状態を確認します。
妊婦健診の頻度
- 23週まで:4週間に1回
- 24週-35週:2週間に1回
- 36週以降:毎週
妊婦健診では赤ちゃんの大きさが妊娠週数と比べて問題なく育っているか、からだに問題はないか確認しています。
出産予定日が決まらないと判断基準ができないので、正確な妊娠週数を知ることは大切です。
妊娠中のお母さんの健康管理
妊娠中は、ホルモンや赤ちゃんが成長する影響でお母さんの負担も大きいです。
妊娠週数によって起こりやすいトラブルもわかっているので自分の体調不良がいつまで続くのか見通しがつきやすいですね。
妊娠週数・出産予定日のよくある勘違い
受精した日=妊娠0週0日ではないの?
性交した日や受精した日を妊娠0週0日と勘違いする人がいます。
受精してから着床するまで6-10日と個人差があるため、自然妊娠の場合は正確な日数の特定がむずかしいです。
しかし、排卵は最終月経日から14日後におこりやすいため、正確な日づけがわかる最終月経の初日=妊娠0週0日として、出産予定日を決めます。
人工授精や体外受精の場合は自然妊娠より正確な受精日がわかるため、最終月経からではなく不妊治療の実施日から出産予定日を計算できます。
出産予定日に生まれることが多い?
千葉県で出産したときの妊娠週数をアンケートした結果、第一子の出産は妊娠40週がいちばん多く(29.9%)、次に39週が27.9%、38週が15.2%となりました(参照:千葉県)。
予定日を過ぎて41週で生まれる赤ちゃんも12.4%、42週では1.0%います。
42週を過ぎると赤ちゃんにとって負担が大きいため、積極的に誘発分娩(薬で陣痛をおきやすくする)を行います。
赤ちゃんのからだや臓器が十分に成長し、いつ生まれてもよい期間を正期産(せいきさん)といいます。
妊娠37週0日-41週6日までが正期産です。
約3人に1人が出産予定日近くに生まれますが、正期産の範囲は広いので、妊娠37週になったらいつ生まれてもよい心と環境の準備をしましょう。
妊娠4週は妊娠何ヵ月?
妊娠0週-3週を妊娠1ヵ月とカウントするので、妊娠4週は妊娠2ヵ月になります。
妊娠検査薬をつかうのが妊娠4-6週が多いので、妊娠を気づいた時点で妊娠2ヵ月ですね。
嵐の日や満月の日など赤ちゃんの生まれやすいジンクスは正しい?
236人の妊婦さんを対象に、自然な陣痛がきたタイミングと気圧や月の満ち欠けとの関係を調べたおもしろい研究があります(新潟県立看護大学:自然現象が分娩開始に及ぼす影響(2013))。
この研究によると、気圧や月の満ち欠けと陣痛がくるタイミングには関係がなかったという結果になりました。
私が働いていた病院でも出産が増えるという下記のジンクスがありました。
- 満月
- 台風や嵐の日
- 焼き肉を食べる
個人的に印象だったのが、台風の日に「陣痛きたから病院に行きます」と連絡があったのに、なかなか病院に来なかった妊婦さんです。
心配していたら「衝突事故おこして遅くなっちゃいました(けがなし)」と言って来院されました。
けががなくて本当によかったです。
赤ちゃんが生まれやすい日に関してはまだまだはっきりと判明していないですが、自然の力が働いていてもおかしくないのでは..と思っています。
妊娠週数、出産予定日のまとめ
自然妊娠の場合は受精した日が確定しにくいので、最終月経の初日=妊娠0週0日になりました。
不妊治療をしている人は受精日が確定しやすい不妊治療実施日から計算します。
日に日に大きくなっていくお腹。それに比例して、早く赤ちゃんに会いたいという気持ちも、どんどん膨らんで行きますよね!
とはいえ、避けられない不安として「ダウン症だったらどうしよう…」というものがあります。
その不安、NIPTで解決することができます!
なんと、妊娠6週から赤ちゃんの先天性疾患を調べることができるんです。
NIPTをくわしく知りたい人はこちらの記事が参考になります。
不安を解消して、前向きな気持ちで出産に臨むことができるようになるのでオススメですよ。
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